案件ガチャ。SESでどの案件に配属されるかによって、今後のキャリアを左右される意のIT業界用語です。とりわけ、保守、テスター、キッティングは、案件ガチャの中でも忌み嫌われてる案件です。
「SESやばい、キッティング、保守、テスターをずっとやらされて、技術が付きません」みたいなタレコミをSNS、場合によってはYouTubeで顔出しして発信している人もいます。
今回はこの案件ガチャについて考えてみたいと思います。
先に、結論を言うと、個人的には「とやかく言わず本業に集中しなさい」と印象を受けてしまいます。
たしかに、コードをバリバリ書いて、”技術力”を付けたいエンジニアの方からしたら、保守もテスターもキッティングも業界の中では花形ではないポジションに自ら進んで手を挙げる人なんて多くはないだろうと思います。
今の状態を捉えるか
ここで、とあるライフネット生命共同創業者の岩瀬大輔氏の言葉をお借りしたいと思います。
ベンチャー起業家の方と付き合うようになって気付いたことがあるんですよ。世界の見え方が全然違うように感じるんです。
つまり、世の中の99%の人は今の状態を所与の物として、不平を言ったりしている。
しかし、1%の人たちって「なかったら作れば良いじゃん」っていう発想があって、起業家の人たちと一緒にいると不満を言わないんですよ。
また、別の機会ではありますが、どんな単純作業でも工夫の余地はあると言います。こちらも大変面白いので、ご興味があれば見ていただければと思います。
大変大事なのは、考え方を変えれば、今の仕事でも工夫の余地はあるということです。
視点を変える、工夫をする
確かに、保守、テスト、キッティングでは、コーディングという経験は得られないかもしれません。しかし、目線を変えれば、いくらでも工夫の余地はあります。
保守で電話対応をしなければいけないのであれば、電話マニュアルを作ったり、よくある質問を作るような工夫はできます。バグが出たというクレームであれば、どうしてそうなったのか、コードを見たり設計書を見たりすることだってできます。業務上問題がなければ、今動いているシステムのコードを見たって良い訳です。
テスターであれば、ただ各テスト項目を⚪︎×を付けるだけでなく、あるバグはこの操作をしたら出たけど、この操作だったら出ないと知らせることも出来ますし、おそらくこうではないかと予想を付けて、プログラマーに伝えても良いのです。
キッティングも少なからずセッティングしたPCの種類、インストールしたソフトを後で調べるくらいはできるでしょう。値段感やどういう機能があるのかというのを見て盗むくらいはできます。セッティングをバッチで一括でできるようにするとか、ネットワークを何となく繋いでいたけど、ちゃんと根本から学ぶというように、全く何も学べないことが全くないということはないはずです。
努力の方向を間違えない
どうしても抜け出したいなら行動するしかありません。別に今その会社を辞めるということではありません。業務時間外に資格を取ることだって、プログラミングすることだって出来るわけです。ポートフォリオとしてサービスを運営してみるのも手です。
すべきことをしないで、闇を暴露している系の方を見ていると、運要素はある一方で努力不足感とただの愚痴をこぼしている印象として受けてしまいます。結果として、その人にとっても今後、望んでいない方向に作用してしまう可能性すらあります。
もちろん望んだ現状ではないのは十分理解できますが、現状を変えるための努力の方向を間違えずに努力することが大切ではないでしょうか。