今回はモバイルアプリのクロスプラットフォーム開発におけるメリットとデメリットについて解説していきたいと思います。
ネイティブアプリとクロスプラットフォームアプリ
クロスプラットフォームを理解する上で、まずはネイティブアプリについて説明する必要があるかと思います。
ネイティブアプリとは、特定のプラットフォーム(OS)上で動作することを想定して開発されたアプリケーションを指します。スマートフォンであればiOSやAndroid、パソコンであればWindowsやMacといったように、デバイスはそれぞれOSを保持しています。
パソコンとスマートフォンはもちろんですが、iOSとAndroid、WindowsとMacといったそれぞれのOSの間にも仕様に違いがあり、各OS用に開発されたアプリをネイティブアプリと言います。
AndroidであればJavaやKotlin、iOSであればSwiftを開発言語として使用して開発を行います。
それに対して二つ以上のOSにでの動作を想定して開発されるアプリケーションをクロスプラットフォームアプリといいます。
様々なクロスプラットフォームアプリを実現するフレームワークがありますが、FlutterやReact Nativeなどが挙げられます。
クロスプラットフォームアプリのメリット
クロスプラットフォームアプリのメリットは一つのプログラムソースで二つのプラットフォームの開発を行うことができるため、開発速度が上がることがあります。
初動の開発速度を上げてすぐにリリースしたい場面、人的資源の確保が難しい場面などに適しているかと思います。
また、ソースコードが一つであるため、保守の面でも工数を下げることが可能です。
クロスプラットフォームのデメリット
クロスプラットフォームのデメリットとして挙げられることに、開発フレームワークに依存する部分が大きいということが挙げられます。
例えばC#のクロスプラットフォーム用フレームワークであるXamarinは 2024年5月1日にサポートが終了することが開発元であるMicrosoftが発表しています。
これによってこの先のAndroidやiOSの更新が起きた際のOSの仕様変更への対応がXamarinを使用したアプリケーションである場合困難になるため、フレームワークのリプレイスが必須になります。
開発人口の少ないフレームワークを選択した場合は情報が少なく、実装が困難になる場合も考えられますので、開発が盛んであるかという視点についても技術調査が必要です。
また、OSの更新後にフレームワークが仕様に対応の更新を行うため、最新OSバージョンへの対応が遅くなる場合があります。
OSの最新機能を使用したアプリなどを考えている場合はクロスプラットフォームによる開発を避けるべきであるとも考えられます。
また、複数のOSのアプリケーションを一つのソースコードで開発することが可能と言っても、機能を実装する上でOSの仕を把握する必要があります。
場合によっては、JavaやSwiftなどのネイティブ言語でプラグインを作成する必要などもあります。
一つのソースコードでアプリ開発ができるということはネイティブの知識が全く不要であるという訳ではないということは留意しておくべき点かと思います。
また、特にUI面でネイティブアプリでは実現可能であるが、クロスプラットフォームでは実現することが難しいという場合もあります。
リッチなUIを実現したいなどの拘りがあるアプリケーションでは避けた方がいいという場面も考えられます。
まとめ
開発速度を上げてコストを下げるという面もある一方で、フレームワークの将来性やアプリケーションの要件など複合的な目線を持ってクロスプラットフォームで開発すべきかを検討する必要があります。
今回はここまでになります。ありがとうございました。
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