1.はじめに
こんにちは、かじです。
今回は中島聡著『スピードは最強の武器である-なぜあなたの仕事は終わらないのか』の書籍紹介をします。
本書の著者である中島聡氏は、早稲田大学、大学院を卒業後NTTへ入社、マイクロソフト日本法人の設立を機に、マイクロソフトへ転職、その後マイクロソフト米国本社へ異動をし、windows95やInternet Explorerなどの開発に携わったスーパーエンジニアです。
本書は、そんな中島氏が幼少期から学生時代、NTTやマイクロソフトでの勤務の経験を経て得たスピードのある仕事術を解説した一冊になっています。
僕自身、なかなか定時内で業務が完了しない日々が続いた中で何とか改善するヒントはないかと思い手に取った一冊でした。
本書のポイントはパレートの法則を時間術にも応用することではないかと思います。今回はそんな中島氏の仕事術を解説しながら、書籍紹介をしていきたいと思います。
2.パレートの法則とは
まずは、パレートの法則について簡単に解説したいと思います。
パレートの法則とは、8:2の法則という呼び方の方が親しみがある人も多いかと思います。全体の8割の総量は2割の上位層が占めているという法則です。例えば、納税額の8割は2割の富裕層が納めていたり、会社の売上の8割は2割の大きいクライアントから占めているという法則になります。
タスク管理でもToDoリストを重要度順に並べて重要度の高い2割のタスクが終わると全体の8割の仕事が終わったことになるという風にも言われています。中島氏は、このタスク管理をさらに時間管理にも応用しているロケットスタート仕事術を提唱しています。
3.ロケットスタート仕事術とは
ロケットスタート仕事術とは、スタートしてから2割のスケジュールで8割を終わらせることを意識した仕事術になります。
例として10日間でAという機能の実装をするとします。通常だと、Aの機能の実装を10日分のタスクに分解して一日一日それらを消化していくというスケジュールの組み方を考えることが多いかと思います。中島氏はそれを真っ向から否定します。これだとスケジュール通りに進まなかった場合や別の作業が割り込んできた場合、どんどんAの機能の実装がが後ろへずれてしまい、最後には無理な残業や徹夜をして、仕事が終わらなければ最後の最後でスケジュールの延長を申し出るという事態になってしまうからです。
中島氏は10日のスケジュールであれば、最初の2日で8割の仕事が終わるようにスケジュールを組みます。その2日間は場合によっては他の作業が割り込むことを許しませんし、メールも見ずにその作業へ没頭します。そうすることで全集中をしてAの機能の実装の8割を終わらせることで、残りの8日間では流しながら作業をして完成度を上げたり、2日間読まなかったメールを見たり、保留にしていた作業をするなど重要度の低い作業を終わらせるという仕事の進め方になります。
4.ロケットスタート仕事術を実践するために
ロケットスタート仕事術を実践するには集中力が大切です。前述したように、仕事の割り込みなどは許さず、ロケットスタート期間には、その最重要タスクをこなすことに全集中します。同様の理由でマルチタスクは禁止となります。
また、そのロケットスタート期間には、作業全体の見積もりをしながら作業を進めます。
そうすることで、最初の2割の期間でで全体の作業量を測りながら作業をすることで、作業が終わらなそうな場合は早めにスケジュールを見直すことができます。
また、作業は常に最小の単位に分割しておくことも必要です。上記の例では、10日間という比較的長い期間での作業になりますが、現実には10日という期間で進めなければいけない作業というのは少なく、1~3日程度の中でタスクが割り当てていたりすることが多いのではないでしょうか。また、並行しているプロジェクトがある場合もあり得ます。
そうした時のために、一日の中で、この時間はAの仕事、この時間はBの仕事というように時間を確保する必要もあります。そうした時のために、なるべく小さい単位で仕事を分割しておくことで、全体の作業量を把握しつつ、細かい時間での時間管理を行うことができます。
5.最後に-なぜ自分の仕事が終わらなかったのか
この本を読んで自分の仕事がなぜ終わらなかったのかを考えた時に、タスクの優先順位が明確になっていなかったことと、割り込みの仕事を許していたという2点が反省点として考えられました。
1点目については、アサインされているプロジェクト、上司から言われた仕事、お客さんから直接問い合わせを受けた作業を一緒くたに考えてしまい、場合によってはプレッシャーのかかっているところから、場合によっては完了しやすい作業からというように、全く作業の優先順位を意識していなかったというところが、反省すべきところでした。
2点目については、人によっては、メールを数時間放っておくことというのは勇気のいることのこともありますが、メールを見るということをあえてせずに、仕事に没頭する勇気も必要だとも思いました。
このように自分の作業を改善する上でヒントになることばかりの一冊でした。
タスク管理やスケジュール管理に不安がある人は是非手に取っていただけたらと思います。
今回はここまでになります。最後まで読んでくださりありがとうございました。