今回はMac OS上でPHPのWeb開発環境を簡単に構築できるアプリケーションであるMAMPのインストール方法と使用方法を解説していきたいと思います。
1.MAMPとは
WEBページやWEBシステムを構築し、公開するためには、WEBサーバーを構築する必要があります。
オンプレミスであれば、コンピュータを最低一台、クラウドであれば、IaaSやPaaSなどのサービスに使用料を払ってサーバーを構築します。
ただ、これはサイトを公開する時の話で、実際の環境で必要な検証を除いて開発時にいちいちサーバーを立てていたら、まあまあなコストがかかってしまいます。
そのため、多くの場合はローカルサーバーといって使用しているパソコンにサーバーを構築して、開発を進めます。
MAMPは、ApacheとMySQLといったミドルウェアに加えて、PHPの動作環境をローカル(自分のパソコン)環境に簡単に構築できるソフトウェアになります。
Dockerなどのコンテナ技術などが主流になりつつありますが、初学者の方などは全てのミドルウェアを一括で用意してくれる、MAMPやXAMPPを使用することを僕はお勧めします。
2.MAMPのインストール
2-1.MAMPサイトからMAMPパッケージのダウンロード
下記URLからMAMPサイトへアクセスしてください。
下画像の「Free Download」をクリックすると、パッケージのダウンロードが開始されます。
2-2..MAMPのインストール
パッケージのダウンロードが完了したら、ダウンロードされたパッケージをダブルクリックして、実行します。
MAMPのインストールに関してポップアップが出ますので、説明を読みながら、「続ける」ボタンを押してください。
途中使用許諾契約の条件に同意する必要がありますので、使用許諾契約を読んだ上で「同意」するボタンを押してください。
次にインストール先を選択する画面が出ますので「Macintosh HD」を選択して「続ける」ボタンを押します。
インストールに際しての注意点が出ますので確認して「インストール」ボタンをクリックします。
ファイル内へのアクセスの許可を求められるので「OK」を押してください。
インストールが開始されます。
インストールが完了したら、インストーラーは削除します。
インストールが完了しましたら、Launchpadから「MAMP」を選択して、下の画像が出たらインストール成功です。
3.PHPを動作させてみる
3-1.ファイルを配置する
Finderでアプリケーションフォルダを開きます。
アプリケーションフォルダに「MAMP」フォルダがあるのでダブルクリックでフォルダを開いてください。
「MAMP」フォルダを開くと色々なフォルダがありますが、ここで使用するフォルダは「htdocs」フォルダになります。
「htdocs」フォルダをダブルクリックして開いてください。
初期状態ではindex.phpのみが配置されています。
この「htdocs」フォルダに新規でフォルダを作成します。今回はフォルダ名は「test」としておきます。
ここまでできたら、この「test」フォルダをVisual Studio Codeで開きます。
今回は動作するかのテストなので、画面上に「Hello World」と出力するプログラムを書きます。
これで前準備は完了です。
3-2.MAMPを起動させる
LaunchpadからMAMPのアイコンをクリックするとMAMPのコントロールパネルが表示されます。
右上の「start」ボタンをクリックすると起動します。
下画像のように「start」ボタンが「stop」ボタンに変更されていたら起動完了です。
3-3.動作確認
今回はMAMPでPHPが動作しているかを確認しているため、1.前準備で作成した「Hello World」がブラウザ上に出力されていれば完了となります。
それでは、ブラウザのアドレスバーに「http://localhost:8888/test/index.php」と記入してエンターキーを押してみてください。
これで表示され、PHPがローカル環境上で動作していることが分かります。
3-4.もし表示されない場合は
インストールした直後であれば基本的には1~3の手順で動くかと思いますが、もし動作していない場合は下記2点を確認してください。
チェックポイント1.ドキュメントルートを確認する
ドキュメントルートというのはどのディレクトリのプログラムを参照するかということです。
下画像の、赤枠の部分が異なっている場合は次の手順で修正してください。
コントロールパネルの左上の「Preferences」ボタンを押します。
下記のポップアップ画面が表示されますので、「Server」タブを開きます。
「Server」タブ内のDocument Rootのところを「Applications > MAMP > htdocs」に変更した後、「OK」ボタンを押します。
そうすると参照するプログラムのフォルダが変更され動作されるかと思います。
チェックポイント2.ポート番号の違い
ポート番号は使用する通信の際に使用するプログラムを識別する番号です。
確認方法としては、コントロールパネルの「preferences」ボタンを押した際に出てきたポップアップで「Ports」タブを開きます。
ここで「Apache Port」の番号が「8888」になっているかを確認しましょう。
もしポート番号が「8888」と異なる場合は、先ほどの入力したURL「http://localhost:8888/test/index.php」の「8888」の部分を変更しましょう。
4.MySQLを動作させる
続いてMySQLを動作させます。
MySQLはデータベースエンジンの一つになります。
通常、JavaScriptやPHPなどでプログラムを書いて実行しますが、それだけでは入力した情報などは保存されることはありません。
更新ボタンを押したり、ブラウザを閉じたりした瞬間にデータは全て消えてしまいます。
入力した情報を保存する方法としては、テキストファイルなどのファイルに書き込むかデータベースへ書き込むことが必要になります。
そのため、WEBの仕組みなどではWEBサーバーとは別にDBサーバーを構築します。
MAMPを使用すると、WEBサーバーとDBサーバーをローカル環境に構築して開発を行うことが可能になります。
それでは、MAMPの使用方法について解説していきたいと思います。
4-1.MAMPの起動
まずはMAMPを起動し、「Start」ボタンをクリックしてサーバーを立ち上げます。
次に「WebStart」ボタンをクリックします。
するとWEBブラウザが立ち上がり、下記画像のようにMAMPの画面が表示されます。
MySQLのタブをクリックするとデータベースに関する情報が表示されますのでこちらを控えておいてください。
4-2.プログラムの準備
アプリケーションフォルダ内にあるMAMPをダブルクリックします。
たくさんのフォルダがあるかと思いますが、その中の「htdocs」の中にフォルダを作成します。
フォルダをVisual Studio Codeで開き「index.php」というファイルを作成し、下記のプログラムを書いてください。
①前準備で控えた「Host」の欄を「host=」の後に記載します。
②前準備で控えた「Username」の欄を「$username」に代入します。
③前準備で控えた「Password」の欄を「$pass」に代入します。
<?php
$dsn = 'mysql:host=localhost;dbname=information_schema;charset=utf8'; //①
$username = 'root';//②
$pass = 'root';//③
try{
$dbh = new \PDO($dsn, $username, $pass,[
\PDO::ATTR_ERRMODE => \PDO::ERRMODE_EXCEPTION
]);
echo 'SUCCESS!';
}catch(PDOException $e){
echo 'FALSE!'.$e->getMessage();
exit();
}
?>
プログラム内容としては、データベースに接続し、データベースの接続が成功すると「SCCESS!」と表示され、失敗すると「FALSE!」の後にエラーメッセージが表示されます。
「index.php」にアクセスし、以下のような画面が表示されたら成功です。
接続に失敗した場合は、下記のように「FALSE!」の後にエラーメッセージが表示されますので、それを元に原因を解決して再度試してみてください。
これでMAMPの使用方法は以上になります。
あとは、プログラムを書いて開発をお楽しみください。